
塩(SALT)のお話
昔は給料として塩が支払われていたのをご存知でしたか?また、中華街にある関帝廟も塩にゆかりがあります。今回は高血圧、慢性腎臓病の原因となる塩のお話をします。
塩(SALT)の語源
サラリーマンの『サラリー(Salary)』は古代ローマ時代に市民が給料で国に雇われていた軍団兵に与えられていた「塩」を表すラテン語サラリウム(Salarium)が語源となっています。
このサラリウム(salarium)は、やがて英語のソルト(Salt)の語源となります。人間の生命維持のために重要な塩は、昔の人にとっても貴重な必需品だったのでお給料として塩で支払われていたのです。

中国でも塩は財

もう一つ「三國志演義」の英雄として名高い劉備も、もともとは塩商人のボディガードだったと言われています。塩は利益率が高い商品なので、盗賊などに襲われやすく、また国家権力の専売制の圧力もありました。(塩は世界中で時の権力者の専売制として独占、富の源泉でした)。そこで、商人たちは腕利きの傭兵を集め、輸送の護衛に当たらせました。その中に、劉備や関羽、張飛もいたのかもしれません。
特に、関羽はもともとは、塩が取れる山西省出身で、塩は専売制で莫大な利益をもたらしたので、塩商人→山西商人と呼ばれる人々が中国の各地に広め、そのうち財神(お金儲けの神様)となりました。
その結果、山西省人=塩商人が守護神として関羽を信仰していったのです。そのため世界中の中華街などで関帝廟を見ることが出来ますし、横浜中華街にある関帝廟は当初は、山西省人(塩商人)が作っていたものです。
接頭語 SAL
ちなみにSalは「塩味のついた」という意味でやはり、塩分が多めの意味を持ちます。例えば、
- salary 給料、俸給
- salad サラダ
- salt 塩
- salami サラミ
- sausage ソーセージ
- sauce ソース

日本人の塩分摂取量

そんな塩分ですが、ご覧のとおり、男性の目標値7.5g、女性の目標値6.5gに対して、実際の摂取量は目標にほど遠い状態です。
そこで、今の時代となっては、ありがたみなく、たくさん摂っている『塩』は逆に、『塩』を昔、お金と同じように貴重なものであったことを思い出し、大切に有難く思い、少しずつ摂取、そして減塩→節塩していきましょう。
減塩、節塩したいけれど……という方は、当院で管理栄養士と相談してください。