糖質制限は本当にいいの?前編
体重減少や肥満を良くするため、または血糖改善のため、『糖質制限』『糖質』を取らない食事に挑戦する人が多くなっています。でも本当にそれで良いのでしょうか? 皆が一度は疑問に思う問題です。
『糖質制限』という言葉が出てきて今ではほとんどの人が知っている状態となり、そのため、血糖改善のため、体重を減らすためなどなどでチャレンジする人が増えている昨今、それは本当に大丈夫なのでしょうか?
糖質制限食は寿命を縮める
グラフは米国人15,000人を25年間追跡した研究で、簡単に言うと糖質制限食は寿命を縮めるという結果となっています。
横軸は摂取エネルギーのうち糖質(炭水化物)の占める割合、縦軸はHezard Ratio→この場合摂取エネルギーのうち50%が糖質(炭水化物)のリスクを“1”とした場合、この1を超えるものはそれよりリスクが高くなる、ということになります。
この論文によると「糖質制限ダイエット」(横軸50より左の炭水化物30~40%)は、通常(40~70%)より寿命が2~3年短いという結果となりました。 これは後述しますが糖質制限の人は牛肉や豚肉の摂取量が多いことが原因だと考えられています。
三大栄養素
ここで少し前後しますがまず、糖質(炭水化物)だけでなく、糖質(炭水化物)を含めた三大栄養素について、触れておきます。図のように三大というのは たんぱく質、脂質、そして糖質(炭水化物)です。
三大の一つである糖質は三大というだけあり、完全にカットすることはやはり良くないのではないかと常識的にも感じるわけです。(過ぎたるは猶及ばざるが如し)
糖質は脳にとって必要
実際、糖質(炭水化物)は脳にとって速効性のあるエネルギー源であり、ということは完全な糖質制限、糖質を完全にカットするのは脳を効率よく動かすためにも良くないことは想像に難くないわけです。
それに糖はエネルギーの貯蔵庫でもある脂肪のように脳に貯蔵しておくことができないため、絶えず補充が必要となります。ですのでやはり食事により定期的に摂取することが必須となります。
糖質不足と糖質過多
皆さん良く経験していませんか?朝飯抜きでそのせいで午前中、ボーとしてパフォーマンスが落ちる、かといって、ランチに“そば+丼もの”で満足したけどその後午後1時~3時くらいに眠くなる、会議で寝てしまう(普通に会議は寝てしまうものかもしれませんが)それもそれでパフォーマンスが落ちてしまいます。 (写真はオバマ前大統領が話している最中寝ているローレンス・サマーズ)
まず朝飯抜きで午前中ボーとするのは 糖質が足りてない、糖質不足→パフォーマンス低下
昼食そば+丼もので午後ボーとするのは 糖質摂りすぎ、糖質過剰→パフォーマンス低下
過ぎたるは猶及ばざるが如し
つまり子曰く、過ぎたるは猶及ばざるが如し(論語)です。 言い方を変えれば、糖質との付き合い方を間違っているからこういうことが起きるのです。 ただこれこそが分かれ目!!こういったおいしい糖質(炭水化物)を食べ過ぎることを控えることができたらと思ってしまいます。
しかし、だからといって、ただ糖質を減らしすぎてしまうと、結局小腹がすいてしまい間食が増えてしまい、血糖が高止まりしてしまう。
また糖質の減らした分、たんぱく質や脂質の割合が増えすぎて血中のいわゆる悪玉コレステロールのLDLコレステロールや中性脂肪など脂質が悪化しそれはひいては、脳梗塞や心筋梗塞、狭心症、また腎臓病をリスクが上がることもあるのです。 ではどうすりゃいいの? となるわけですが それは、後編に続きます。