睡眠不足について
診察室にて、よく患者さんより眠れない!!という訴えをよく聞きます。よくよく聞くと、睡眠導入剤等を内服する前に、まず工夫できることがあるのではと感じることが多い印象があります。ここでは、診察室でよく聞く、患者さんの話とその解決方法をまとめてみました。
布団やベッドの中で1時間~3時間ずっと寝られずに過ごしています
寝床は眠るためだけに使いましょう。
寝床では、本を読んだり、テレビを見たり、ものを食べたりせず、眠くなければ別の部屋に行き、その際は時間を気にせず、リラックスした時間を過ごすようにしましょう。
夜中3時や4時に起きてそのあと眠れません(実は、9時に寝ています)
寝る時間や睡眠時間にはこだわりすぎないようにしましょう。
『眠らなくては』という意気込みでかえって頭がさえてしまい、寝付きを悪くすることがあります。(例えるならプロのピッチャーでもストライクを取らなければ取らなければとなると、ストライクが取れずボールになることがあるのと同じです)
睡眠時間には個人差あり、短くても日中の眠気が困らなければ大丈夫です。一般に高齢になるほど睡眠時間は短くなります。平均7時間だとしても、年齢が上がると6時間、5時間でも大丈夫な人も実はたくさんいます。その場合は、逆算して寝る時間を遅くしてみましょう。
寝酒しないと眠れません
睡眠薬代わりの寝酒は避けましょう。
就寝前のアルコール摂取により、夜中に目が覚めやすくなったり、眠りが浅くなったりすることがあります。いわゆる睡眠の質は悪くなります!!また、体がお酒に慣れることによる飲酒量の増加や依存症にも注意が必要です。
眠れないのでテレビを見ながら寝ています
寝る前には、刺激物を避けましょう。
夕食以降のカフェイン飲料の摂取、寝る1時間前の喫煙は控えましょう。 軽い読書、静かな音楽、40℃くらいのぬるめの入浴(←オススメ)、アロマテラピー、軽いストレッチなどで心身をリラックスさせましょう。
夜の明るすぎる照明やテレビの光は、眠りの妨げになるので避けましょう。寝床でのスマホはやめましょう!!
実は夕方にうとうと寝ています
昼寝をするなら、午後3時までの20~30分です。
20分程度の短い昼寝は頭をすっきりさせ、集中力や作業能力の低下を防ぎます(いわゆるシエスタですね)しかし、30分以上の昼寝は深い眠りに入ってしまい、かえって逆効果です。また、午後3時以降に眠るのは夜の睡眠の妨げになるので控えましょう。
朝起きてもボーとしています
朝起きたら、太陽の光を浴びましょう。
目が覚めたらカーテンを開けて朝日を浴び、体内時計のスイッチをオンにしましょう。体内時計がリセットされると、その14~16時間後に眠気が出てきます。これでもダメな際は、受診していただきご相談ください。不眠にはほかの理由によることも多いです。また現在は睡眠導入剤も色々種類あります。