掲載日: 2016-03-25
帯状疱疹

帯状疱疹の予防

 帯状疱疹を予防、軽減できるワクチンがあります。皆さん、帯状疱疹で困ったという話を聞いたことはありませんか? 実は、成人に水痘(みずぼうそう)に対するワクチンを接種することで、帯状疱疹の発症確率を減少させ、予防の効果があります。

症状

 「みずぼうそう」はほとんどの人が子供のころにかかっています。一旦良くなったように見えていますが、本当は神経に潜んでいて(これを潜伏感染と呼びます)、体力や食事量が低下していたり、過労や加齢などで抵抗力が弱っているときに、再度ウイルスが増えて症状を引き起こします。

 体の片側の神経に沿ってウイルスが増えることから、代表的な症状としては、帯状の発疹と神経痛を引き起こします。皮膚の症状は抗ウイルス薬で治りますが、後遺症で痛みが残ることが多くあります。この痛みに対して、痛み止めの薬や局所麻酔薬による神経ブロック注射などがありますが、有効な治療がないのが現状で、痛みによって日常生活に支障をきたしている場合もあります。

帯状疱疹ができる仕組み

水痘ワクチン

ワクチン

 そこで、水痘ワクチンを接種することで、帯状疱疹の発症を予防するだけでなく、痛みの軽減を期待できるといわれています。予防接種ですが、上記より抵抗力が弱っている方は特に対象となります。

(1) 50歳以上
(2) 糖尿病や悪性腫瘍、炎症性腸疾患、喘息などの基礎疾患がある
(3) 膠原病などでステロイド内服している
(4) 兄弟や両親、親族に帯状疱疹を発症したことがある

 予防接種の効果は、5~10年ほどです。 水痘ワクチンは保険適応がありませんので、自費診療となります。 (当院では7,500円です)ワクチンは事前に取り寄せとなりますので、ご希望の方はお電話ください。

045-835-5134

諸外国での対応

 尚、諸外国での対応は以下のようになっています。

【欧州】2006年に欧州医薬品庁(EMEA)が50歳以上を対象にワクチンを認可
【米国】2006年に米国食品医薬品局(FDA)が60歳以上を対象にワクチンを認可

 2008年には米国予防接種諮問委員会(ACIP)が、免疫抑制状態に関係なく、帯状疱疹を発症していない60歳以上の高齢者に対するワクチン接種を推奨しています。

 60歳以上を対象に水痘ワクチンの効果を検討した臨床試験の結果では、帯状疱疹の発症頻度は51.3%減少し、帯状疱疹後神経痛の発症頻度は66.5%減少したと報告されています。

グラフ

港南台内科クリニック