糖尿病の疑いあり
実は数年前より会社の検診で『糖尿病の気がある』と言われていたが、特に痛くもかゆくもなくなかったから放置していた、しかし今回の検診では『糖尿病の疑いあり』と言われてしまった。やっぱり、医者に行かなければならないのかな~
という方、実はたくさんいらっしゃると思います。そんな方々に糖尿病を専門として診ている医師からまず伝えたいことをお話しします。
糖尿病の放置
血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が高いと糖尿病が重いものになってしまう危険性が増えてしまいます。さら、放置していると、視力低下、腎臓の機能が低下する、足の感覚に鈍る、しびれなどが起きてしまいます。そうなる前にまずは糖尿病内科の受診をお勧めします。
つまり、糖尿病の本当の怖さは、全身の血管が傷んでしまい、体の機能がダメージを受けてしまいます。さらに、体の様々な臓器にダメージを与えてしまいます。
各臓器へのダメージ
血管
重要な血管が動脈硬化を起こしてしまいます。心臓の血管の動脈硬化は心筋梗塞を起こしますし、脳の血管の動脈硬化は脳梗塞を起こしてしまいます。
眼
網膜症を起こしてしまいます。網膜症を起こすと視力低下やさらに失明してしまう危険があります。
腎臓
腎症を起こしてしまいます。腎症は腎機能の低下を招きますし、さらに、人工透析をしなければならなくなります。
足
足の神経障害を起こしてしまいます。神経障害は足の感覚が鈍ってきます。さらに潰瘍、切断を起こしてしまう危険があります。
感染症
風邪をひきやすくなります。インフルエンザなどの感染症にもかかりやすくなり、肺炎の危険もあります。
歯
歯周病を起こしやすくなります。歯周病は歯肉から出血したり、歯がぐらぐらしてきます。
脳
認知症を起こしやすくなります。認知症になると認知機能が低下してしまいます。
受診の勧め
痛くもかゆくもなく困っていないからといって、放置していると、こういった症状(合併症)が重くなってしまう(重症化)する危険性が増大します。まずは、内科、糖尿病内科のかかりつけを持ちましょう!!
早めに治療を開始し、血糖値をうまくコントロールすることで、糖尿病の合併症を予防できれば、つつがなく、自分らしく生きることができる、また治療にかかる医療費を抑えることができます。定期通院・検査、食事、運動そして場合によっては薬が大切になります。