コレステロールが高いとなぜいけないの?
健診結果や病院にかかると、『コレステロールが高い、気を付けてください!!』と言われることがある方が多いと思います。でも、そもそもなぜコレステロールが高いと?なぜ、なにがいけのか?と言われると、、どうしてか ご存知でしょうか?
単刀直入でいうと『動脈硬化が起きてしまい、重大な病気(心筋梗塞、狭心症、脳梗塞など)をひき起こす可能性が高くなる』からです。
コレステロールは体の組織やホルモンの原材料
コレステロールはそもそも、体の組織やホルモンの原材料になる需要な役割を果たしています。しかし、それが高すぎると悪さをしてしまいます。ただ、ただちにはコレステロールが高くても、痛いなど自覚症状はありませんが(それが逆に発見を遅らせます)血管の壁にコレステロールなどの塊、こぶ(←これを『プラーク』といいますが)ができ、それがだんだん大きくなることにより血管内を狭くして血液の流れを悪くします。
またそれが多く気なりすぎて破裂すると血管をふさいでしまうことがあり(←これを『梗塞』といいますが)心臓の血管がふさがってしまうと心筋梗塞、脳の血管がふさがってしまうと脳梗塞となります。どちらも命にかかわる病気であり、そうならないために高コレステロール血症は、きちんと治療する必要があるのです。
そんなコレステロールにも種類があります
大きく分けて2つ良いコレステロールと悪いコレステロールがあります。まずLDLコレステロール(悪玉コレステロール)は肝臓からコレステロールを全身の臓器の送り届ける『運搬係』 生きていく上では必要ですがしかし増えすぎると動脈硬化を起こすのでLDLコレステロール=悪玉コレステロールと呼ばれます。
その一方、血管などにたまった余分なコレステロールを肝臓に戻して排泄させる『掃除係』がHDLコレステロール=善玉コレステロールと呼ばれています。ふつう『コレステロールが高い!!』という場合、LDLコレステロールが高いことをさします。
では コレステロールを下げるにはどうした良いの?
王道は、やはり、食事・運動など、生活習慣の改善です。一にも二にも、まずは食事・運動など生活習慣の見直しです。残念ながら“簡単に” “ラクに” “なにもしないで”というのはムリです。それは例えて言うと、“簡単に” “ラクに” “なにもしないで”お金を稼ぐことができないのと同じです。(まちがってこういうことに飛びつくと詐欺だったり、投資で大損というのは良く聞く話です。)
そんな王道の食事・運動など、生活習慣の改善ですが、特に食生活の改善が重要です。これに関しては、当院では管理栄養士さんと話しながら改善をお手伝い、また伴走してサポートしていくことは可能です。(詳しくはコチラ)ただそれでも目標のコレステロールの数値にならないことももちろんあります(いくら努力しても野球少年がみな大リーガーになれるわけでないのと同じです) その時になりやっと、薬の出番となります。
薬は一生、飲み続けなければいけないの?
動脈硬化(脳梗塞や心筋梗塞の原因となる)予防・治療をするためには、薬は長期にわたって飲む必要がでてきます。しかし、家族歴がなかったり、心筋梗塞や脳梗塞にかかったことのない人は、食事・運動療法を積極的に、頑張って行うことで 場合によっては、薬をやめることや、そこまでは難しくても、薬の量を減らすことができる場合もあります。ただし コレステロールが下がったからといって、自分の判断で薬を勝手に辞めないようにしましょう。必ず医師に相談してください。
また脳梗塞や心筋梗塞に1度なった方や、頸動脈エコーなど詳しくはコチラで、すでに動脈硬化が強い方(血管が詰まりやすい(梗塞しやすい))は再度の脳梗塞、心筋梗塞を防ぐため必ずきちんと内服する必要があります。
食事と運動というと、よくこういう話も聞きます
〜そんなにコレステロールの多い食事を食べていないのに、でもコレステロールが高いのです~
これはどうしてでしょう?コレステロールは外から摂取(食品から摂取)するものより、実は体の中で合成されているものが多いからです。 コレステロールは生来、体に必要な物質なので、体の中で合成され作り出されています。コレステロールの多い食事をとらなくても血中のコレステロールが高くなるのはこのためです。
では、食事は何を気をつければいいのでしょうか?
コレステロールの多いものを気を付けることも大切ですが、まずは摂取エネルギー量に注意しましょう。ただ適正なエネルギーは年齢や、仕事量、性別によっても異なります いろいろ計算式などあるのですが、なかなかマッチしないのが現実です(また最近食事に関するこれらのエネルギー量の考え方が変わってきているため)。ですのでやはり前述ではありますが、きちんとした管理栄養士さんと話しながら決めていくのが一番良いと考えます。
当院には管理栄養士が常駐しておりますので、いつでも相談してください。(ただ予約制なので医師、もしくはスタッフにまずは聞いてみてください)