貧血について
貧血とは、血液中のヘモグロビン(血色素)量が正常より低下(減少)した状態を指します。当院では、糖尿病の患者さんや甲状腺の患者さん、また、がん手術後の患者さんなど様々な方が受診されていますが、定期的に採血検査をすることでさまざまな病気の兆候をチェックしております。
貧血とは
血液中のヘモグロビン(血色素)量が正常より低下(減少)した状態を指します。ということは、採血しなければ貧血の有無や程度、種類も分からないためやはり前述のように定期的な採血検査が重要となります。
ヘモグロビンは赤血球の中に含まれており,血流に乗って酸素を体のすみずみまで運搬する働きをしています。そのため,ヘモグロビン量が低下すると体内の各所が酸欠状態となり,顔色不良・動悸・息切れ・疲労・倦怠感・めまいなどいろいろな貧血症状が現れます。ひどい時には呼吸困難や胸痛が起こることもあります。このヘモグロビンは赤血球の中で主に鉄を原料として合成されます。
成人男性でヘモグロビン値が13g/dL未満、成人女性は12g/dL未満、妊婦や幼児では11g/dLの場合に貧血と判断されます。
またもともと年齢を経るごとに血、この場合赤血球を造る力は低下します。高齢者の場合は男女ともヘモグロビン値11.0g/dL以上であれば問題なく、11g/dL以下より貧血と考え注意していくべきと考えます。
若年の貧血
一番多いのは鉄欠乏性貧血です。これはヘモグロビンを作るために必要な原料である鉄分が不足するために生じます。鉄が不足する原因としては特に女性においては、バランスの悪い食事やダイエットなどによる摂取不足、成長期や周産期、授乳期における需要の増加、月経過多、であり男性の場合は潰瘍やがんなどによる出血によるものが多い傾向があります(これらは女性でも原因となります)。
高齢者の貧血
高齢者の貧血は、若者とは違い、ほとんどの場合、発症は緩やかであることが多いです。そのため典型的な息切れや動悸、倦怠感などの貧血症状というよりは、心不全や肺気腫などと症状が紛らわしいこと症状となることが多々あることが特徴です。また何らかの他の病気のために、それが原因で起きていることが多く、これを続発性貧血と呼びますがそれが約80%を占めるのも特徴です
原因となる病気の割合
図のように 出血の原因としてがんが見つかることも少なくありません。また胃や大腸などからの出血も多く甲状腺ホルモンやビタミンが欠乏して貧血になることもあります。 胃全摘をした方は ビタミンB12の吸収に必要な物質を分泌する胃がないため、手術後5~10年で体内に貯蔵されているビタミンB12が枯渇して赤血球が大きくなる大球性の貧血になります。他にも葉酸や亜鉛、ビタミンB6の欠乏でも貧血になります。 血液が作られる過程で異常が発生し、赤血球、白血球などの血球が減少する骨髄異形成症候群は高齢に多い血液疾患です。
どの病気にしても早期に見つけて早く治すのが一番、ですのでかかりつけ医をもち定期的に体調管理と、検査を行いましょう。