掲載日: 2018-01-05
薬が多すぎて困っている老人

残薬整理いたします!

 先生には言いづらいのだけれど家に、先生に出された薬が残っているという方がいましたら、気にせず診察時に持ってきてください! というのは、実は残った薬を医師と共有し把握するということは、大きなメリットがあるのです!!例えば内服の回数や量を減らすこともできる場合もあるからです。糖尿病でも高血圧でもコレステロール、尿酸の薬でも当たり前ですが薬はきちんと飲むことで効果が出ます。

糖尿病→血糖を改善する
高血圧→血圧を改善する
脂質異常症→コレステロールを改善する

残薬状況

 例えば糖尿病の治療薬における残薬状況について、イーライリリーによる調査によると左グラフの通り33.1%の人が残薬ありと答えています。また同調査で残薬を医師に申告している患者さんはというと、右グラフの通り34.7%の患者さんは先生に話していないようです。

経口糖尿病治療薬の残薬の状況

残薬状況が分からないと

先生と相談する

 ではその場合どうなるかというと、医師はきちんと飲んでいても、改善しないと判断し、『薬があっていないのではないか? 』『薬の量が少ないのではないか?』 と判断し、本当は効く薬なのに変更されたり、薬の量が増やされるということが起きます。

 これでは、患者さんにとっても、医師にとっても良いことではありません。ですので、飲み忘れや、残っている薬があったら、診察時の持ってきてください。 薬の調整を行います。

服薬上、困っていること

 ちなみに前述の残薬があると回答した患者さんに服薬上困っている点を聞くと『薬の種類が多い』が26.3%と一番多く、『一度に飲む量が多い』22.4%、『タイミングを守ることが難しい』17.5%と続きます。

残薬を申告することでこれらの困っている点、『薬の種類が多い』『一度に飲む量が多い』『タイミングを守ることが難しい』『服用回数が多い』を考慮しつつライフスタイルや体調に合わせて、薬の飲み方や剤形を変更することも一緒に考えることができます。

イメージ図

ライフスタイル飲み方の変更や剤形の変更など

夜間の仕事

 例えば、夜勤や3交代制で昼夜不定期、朝食を食べられない、昼食を食べられない、認知症等できちんと内服できない、介護者が内服させるが、一日何度も内服させるのは難しいなどが挙げられます。

 例えば、1日3回内服を1日2回や1日1回に変更する。 食前の薬を、食後でも良い薬に変更する。 毎日1回の内服を週1回の内服に変更(糖尿病治療薬)。毎日1回の内服や注射を週1回の内服に変更(糖尿病治療薬)。 内服の数が多い場合、配合剤を使用することで薬の数を減らす。

 こうすることで、 『薬の種類が多い』→減らす考慮。 『一度に飲む量が多い』→分散や減らす考慮を。 『タイミングを守ることが難しい』→飲めるタイミングの変更の考慮。『服用回数が多い』→回数の削減の考慮。 することができるかもしれません。

糖尿病の治療薬に関しては

 糖尿病の治療薬に関しては、ただし上記のような変更は、すべての人にできるわけではありません。しかし、まずはできるかどうか相談することが大切です。そのためにも残った薬を持参していただき検討することが大切なのです!!現在の薬による治療でよいのかどうか判断でき、場合によってはより良く負担の軽減できるかもしれません。

港南台内科クリニック