尿検査について


掲載日2016-04-13

 当院では、糖尿病の患者さんに対しては、尿検査を実施しています。意外に尿検査からもいろいろなことが分かります。

尿蛋白が陽性

タンパク質というのは生体にとってはとても貴重な物質なので本来は、尿中に漏れることはありません。ですので、糖尿病などで、腎臓機能の低下時に陽性となります。腎機能低下をみる一つの指標になります

尿潜血が陽性

 腎臓内科が扱う腎炎などの病気の疑いと、泌尿器科が扱う尿結石などの疑いや、まれに腎臓や膀胱の腫瘍が見つかる場合があります。どちらなのか鑑別が必要であり、精査のため 腹部エコーでの精査や腎臓内科もしくは、泌尿器科を紹介することもあります。

尿糖が陽性

 、尿から糖分が検出されます。しかし、尿糖が検出されなかったとしても、糖尿病ではないとはかぎりません。また最近では、糖尿病の治療薬の中には、あえて、尿糖をたくさん出すことにより、血糖を低下させ、糖尿病を改善する薬もあります(SGLT2阻害薬)

Q: 尿糖がでていると 糖尿病なのでしょうか?
A: 糖尿病という病名のため、尿に糖が出ることが糖尿病だと、みなさんよく勘違いされますが、これは正しくありません。糖尿病であっても、尿糖が出ない場合もあり 逆に尿糖が出ていても糖尿病でないこともあります。だからといって、尿糖を測る意味がないわけではありません。本当に健康に近い状態であれば食後といえども尿糖はでません。また、最近では糖尿病の薬でSGLT2阻害薬は薬の力で尿糖を増やし血糖値を下げようという薬もあります

ちなみに

 「糖尿病」の名前の由来は、血糖の測定ではなく、患者の様態からつけられたもので、西暦2世紀頃にさかのぼります。 飲んだ水がどんどん尿となって出てくる患者が、絶え間なく水が流れるサイフォンと同じだということで、ギリシャ語で 「通り過ぎてしまう」 という意味の 「サイフォン」 という名称がつきました。

 これがラテン語の「ダイヤベテス(Diabetes)」となり、蜂蜜のように甘いことを意味する言葉であるmellitusと一緒になって diabetes mellitus という言葉が誕生しました。

 1674年に、この尿が蜜のように甘いということが分かり、日本に初めてこの病気の名称が紹介されたとき、「蜜尿病」と訳されました。やがてその甘さがグルコース(ブドウ糖)によるものということが分かり、1907年第4回日本内科学会講演会後に「糖尿病」に統一されたという経緯があります。

 国際糖尿病学会が日本ではじめて開催された1994年に記念切手が発行されています。その切手にはインスリンの結晶とともに藤原道長の肖像がデザインされています。これは、日本で記録に残っている最初の糖尿病患者が藤原道長とされているからです。