掲載日: 2021-07-20
BEER

尿酸、プリン体を減らす

 ビールのCMで有名なプリン体。尿酸はプリン体を代謝した結果生じる老廃物つまりゴミなのです。それが過剰に体内に蓄積して濃度が高くなり高尿酸血症となり、痛風が起きます。

 プリン体を多く含むのは肉や卵類、牛乳、また珍味にも多いです。というのは、プリン体は細胞核の中にある遺伝子に存在するため、内臓(レバーなど)や魚卵など細胞数が多い食材や、乾燥により細胞が凝縮されている干物などに多く含まれるからです。

尿酸を増やさないには

 総カロリー、食事の総量を気にしたほうが,プリン体の摂取制限のみよりも実は大切だと最近では考えられています。

 尿酸というと食べ物に含まれているプリン体を気にする人が多いのですが(プリン体ゼロのビールなど)実は食べ物に含まれるプリン体からつくられる尿酸は全体の20%ほどに過ぎず、残りの80%は食事より摂取したプリン体以外のものから体内でプリン体が作られ、体内で利用(代謝)されることで尿酸ができるからです。つまり、プリン体の入っているものをできるだけ気を付けたとしても、食べる量が多い人は、プリン体含有率が多いものを避けたとしても、尿酸は上昇することになります。

 そのため、プリン体だけでなく、食事総量も考えましょう。プリン体を控えているからそれ以外のものは気にせず食べていますではダメなのです。やっぱり食べ過ぎはよくないわけです。

プリン体を多く含む食品

プリン体ゼロのビール

ビール

 ビールのプリン体は実は少量(鶏レバーや白子に比べ)です。しかしアルコールは尿酸産生を促進するのでそういう意味でやはり注意は必要です。つまり、プリン体ゼロだからと飲みすぎると結局尿酸値は上がります。

 同じ理由でビールでなくとも 日本酒 焼酎、ワインでも尿酸産生を促進するので飲みすぎ注意が必要です 。

有酸素運動

 短距離走や筋力トレーニングなど激しい無酸素運動は尿酸値上昇させます。 散歩など軽い有酸素運動は尿酸値を下げます。 体を活動させるとき、そのエネルギー源として、体内にある“ATP”という化合物が使われているが、ATPは実はプリン体の原料となります。

 それでもふつうは、ATPがエネルギー消費のために分解されてもほとんどが再利用されるため尿酸まで分解されるのは一部なのですが、急激な運動や暴飲暴食などでATPが急に多量に使われると、再利用されることなく分解が進み、尿酸になるものが増えるからです。

散歩

食事

わかめサラダ

 ラーメン・ファストフードは高カロリーであり、尿を酸性に傾けてしまいます。尿が酸性に傾いていると尿の中の尿酸が溶けにくくなり、尿路結石ができやすくなります。尿をアルカリ性に近づけるために、海藻や野菜、果実などを積極的に食べるようにしましょう。

 食事に含まれているプリン体の量だけでなく、総カロリー、食事の総量も気にしましょう!! これは糖尿病の食事を気を付ける点とあまり変わりません。糖尿病もある人では、糖尿病で気を付ける食事で尿酸もうまくいくはずです。

 また尿量が増えれば尿と一緒に多くの尿酸を排泄できますので,水は1日2リットル以上飲むことが推奨されています。(腎機能や心機能の悪い方で水分制限を受けている人は医師に相談してください)

港南台内科クリニック